岡山県労働組合会議

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7.14憲法キャラバン(真庭市、津山市、鏡野町)

とき:2017年7月14日(火)

ところ:真庭市、津山市、鏡野町

自治労連が憲法キャラバンを5月から始めています。すでに12自治体を訪問しましたが、首長さんとお会いして憲法や地方自治に対するお考えや重点施策を聞くことが基本ですから調整が難しく期間を要しています。県労会議はこのキャラバンに同行させていただき地域政策の展望を聞こうと、質問を投げかけました。ダイレクトな回答が得られたと言うわけではありませんが、7月4日のキャラバンからその様子をご覧ください。台風が近づく7月4日に真庭市、津山市、鏡野町を訪問しました。参加者は自治労連・鷲尾委員長、小野書記長、花田特別執行委員、伊原県労会議事務局長です。事前アンケートに沿って鷲尾委員長が話をすすめながら市長さんが答える形で話は進みました。

1.真庭市

真庭市では大田昇市長が短時間ですが対応してくれました。須田昌宏総務部長をはじめ事務方が7人も参加されました。

市長は時間がないとしながら、真庭市では「理事者会議と言って、各部の意見交換を行っている。会社でも同じだが縦割り行政でも横のつながりや全体を把握し組織を動かすことが職員の務めだ」と基本的な市政運営について話していただけました。憲法について「戦後の憲法制定過程を考えると芦田総理も含めて日本政府も意見を言っている。決して押し付けではない。最近の憲法研究でも新しい事実が発見されている。憲法を生かすと大げさに言うつもりはないが、特に近代民主主義における個人主義について議論する必要があると思っている。自分は政党の支援を受けて市長になったわけではない。遠慮はない。常に考え、歴史に学ぶことが重要であり、天皇陛下が歴史に学ぶとおっしゃった言葉は大変重い」と話していただいてところで、これから飛行機に乗って出かけられるようで市長との話は時間切れとなりました。代わりに事務方が残って市政について説明されました。

以下、その概要ですが、真庭市では多様な生活をライフサイクルとして支えられるように取り組んでいる。経済としてはバイオマスの発展、*CLTの活用と促進、安全安心な街づくり、人材育成などが紹介されました。人材育成では10億円の基金を積み立て市民の意見を聞く中で144件の審査をして9件の活用、14件の事業を始めた。子育てでは3人目の保育料無料化、待機児童はいない。出生数は320人(年間)と県下4番目だと話しました。

保育士の確保、保育園舎のCLT化で温かみのある保育園建設など。福祉課では誕生祝に木のおもちゃプレゼントで福祉作業所からも喜ばれている。7月から頑張る保育事業として10年間1万円を限度に所得補償、病児保育に対するタクシー利用などをすすめている。農業体験の実施で地域を考える力人材育成、農村の暮らしを考えるなど後継者を育てる運動を実施していると、若い担当の松岡さん(総合政策部交流定住推進課)からお話しを伺いました。さらに、コミュティービジネスを創設するとして、空き家対策、お試し住宅で利用者のサポートする人への助成や改修に対する助成制度を設けていると定住対策をご紹介いただきました。地域創生については人口減対策、岡山市との連携、旭川水域の自治体との施策の統一化だと話されました。

最後に市長の政治姿勢として市民は主権者、役所は議事機関としての役割を担うと言われていることを職員一丸となって進めている。市長は憲法や地方自治法について見識が深い。法学部の出身でもあり憲法に基づいた議会や市政についていつも刺激を受けていると職員の皆さんの顔は明るくやりがいもお持ちだと感じました。

*地方創生とは、国内の各地域・地方が、それぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会をかたちづくること。魅力あふれる地方のあり方を築くこと。

*CLTとは、板状に製材・乾燥した板=ひき板を繊維方向が直交するように重ねて接着した、板状の材料のこと。

 

2.津山市

津山市では宮路市長が対応していただけました。時間は30分でしたが、前回2月に米軍会演習で要請に来た時のことを覚えてくれていました。憲法については国のこととしながらも、安保や米軍演習について市長の方から話を切り出されました。懇談では玉置総合企画部長、河野政策調整室長が同席されました。

宮路市長は、「議会では共産党の末永議員に学ばせてもらった。議員団がきちんとしていたから議会に緊張感もあった。米軍の日本原演習問題は委員会には議題が出たが議会には出ていない。自分は職員だった頃、労働組合の役員をやっていたこともあって中途半端な役職だった。しかし、変わったことをして来たのがよかったと思う。米軍の飛行訓練では2011年3月の土蔵崩壊事件で中四国防衛局に対して、日米安保の犠牲になることは許されないと話したが、今でもその気持ちに変わりはない。自民党の中には応援してくれる人もいるが、その引き換えに単独訓練もよろしくと言われるとそうではないと思う。奈義町議会では町長が決めたのに津山市では市長が決められないと批判もあるがそれも違う。市民の目線が大切であり、推進側が圧力を加えているが、地元が反対していることを重視している。ただ、政府は日本原での演習は津山市の面積が18%と小さいために強行する考えがあることも懸念している。今度の市長選挙でこのことは大きな争点になるだろう」と話しました。

話は津山市の経済や活性化に移り、地元出身のスターや有名人の話になりました。宝塚のトップスターになった桜乃彩音さんやB’Zの話題となり、稲葉氏が津山出身であり、実家の化粧品店がタクシーの観光コースになっていること、同席された玉置総合企画部長が同級生でB’Zが無名だったことから支援していたことなども紹介されました。津山市ではUターン政策として3年以上定住された方への奨励金(最高で72万円)が出していることや若者支援策として1割の奨学金支援、中学生までの医療費無料化、第3子の医療費無料化などが紹介されました。市長は、「人口減は緩やかに進んでいる。他の自治体との比較では3番目だ」としながらも意欲的な政策で活性化させたいと市長は笑顔を見せました。

 

3.鏡野町

鏡野町では有本昌光副市長と利岡総務部課長に対応していただきました。有本副市長は「町長が忙しくて申し訳ない。自分も20日くらい会えない時がある」と話し、憲法について持論を展開しました。「憲法改正のお膳立てがされている感じだ。危機を煽って国民を誘導する危険な匂いがするが憲法は国家が論じることであり小さな町では議論にならない。町民にも入らないと思う。団体に入って学ぶこともあるだろうが深く考えている人は少ない。祝日に旗を掲げる人も少なくなった。鯉のぼりも見かけなくなった。自衛隊の明記は徴兵制の危険性を感じる。議員さんの中では共産党が質問をされるが、憲法にかかわる質問は少ない。日本の憲法はよくできていると思う。自民党の憲法草案は昔に戻そうとするものだ。若い頃、助役が元旦に憲法を読んでいると聞き、憲法の大切さを感じ取った。」と副町長としての憲法観を述べました。市長とはよくお話をされるようで「お前は責任がないからと言われる。責任と言うのは選挙のことで審判を受けないということです」と話され、「町長の思いを代弁できるのも私の役割だ」と苦笑いされました。

地方創生について*連携中枢に入っていないが津山市を中心にした定住自治圏に入って連携を取り合っている。町の重点政策は「ぬくもりの家づくり事業」だとして、町産材で家を建てれば200万円の補助や間伐材などを中心に木材87%の認定保育園舎を建設した。児童クラブへの支援事業もやっている。今まで3年生までだったが働くお母さんが増え、今では6歳までにしている。子育て支援センターも開設している。農地の集約化で年間6000万円の財政規模で、事業規模の農家に農業支援として年間500万円の補助をしている。そうやって大型農家を育てている。兼業農家では食べていけないと話しました。無料で受けられる検診制度もご紹介いただけました。町のイベントで1000発の花火大会「シーツートレッキングサミット」として、全国からマニアを集める企画まで町おこしの施策もご紹介いただきました。

専業農家に聞いてみると「、何とかなる。子どもも多いと聞く。農業支援は人口対策としても効果がある」と考えるなど、発想の転換とも思えるお話も伺いました。

*連携中枢都市圏構想といい、地域において、相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化とネットワーク化により「経済成長のけん引」、「高次都市機能の集積・強化」、「生活関連機能サービスの向上」を行うことにより、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するための拠点を形成することを目的とするもの。

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