岡山県労働組合会議

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日付 2016年11月13日

11.12過労死等防止対策推進シンポジウム

11月12日(土)、岡山マラソンの前日であり、北区いずみ町のスポーツ公園周辺はマラソン番号の受付で非常に込み合っていました。場違いな会場に向かうかのような雰囲気が市内に溢れるなか、旧労金ビルで過労死等防止対策推進シンポジウムが開かれました。

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過労死等防止対策推進シンポジウムが厚生労働省の主催で開かれるようになって2年目となります。後援は岡山県や岡山市以、いのちと健康岡山県センター、岡山県労働組合会議、過労死家族の会、過労死弁護団、家族の会などが名を連ねている。県労会議が支援する過労死センターや家族の会などの団体からの参加者が多かったように思う。実はこのシンポジウムを開催するにあたって、連合へも共同の申し入れをした経過がありますが断られたという経過があります。労働局が動けば良かったのでしょうが、県労会議という名前で拒否されたような気もしています。過労死問題は労働組合の区別なく関わっていただきたいと思うのですが残念です。講師などの紹介を含めて、主催県の運動団体の意向を反映していただけるので、本気で取り組めばシンポはもっと大きくなると思います。企画や事務局は労働局であり、参加も事前申し込み制という堅苦しさが難点です。

さて、前置きが長くなりました。佐々木栄一岡山労働局労働基準部長の挨拶の後、講演に入りました。基調講演は森岡孝一氏(関西大学名誉教授、過労死防止学会代表幹事)で「長時間労働の現状と過労死防止法の課題」というテーマでお話しされました。

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休憩を挟んで、笑工房・桂福車さんの「エンマの願い」とい落語で、会場は笑いでなごみました。

森岡氏は過労死防止法の意義と課題として「過労死防止を国の責務として定めた最初の法律。実態を調査研究し、効果的な防止策の取り組みを生かすことであり、家族の声を聴く仕組みが協議会として設けられた」とその意義を強調しました。しかし、それは「過労死をなくす」一歩だとして、過労死をめぐる長時間労働の実態を詳細に報告しました。特徴は「過労死の労災申請は年々増えているが、中でも過労自殺が増え続けている。若年層に多い自殺。道路貨物運送業の労災申請が多いこと。自殺は社会福祉・介護事業所に多いこと「だ」として、その原因に「長時間労働であり、非正規社員の増加、減少する正社員、先進国で異常に長い日本の長時間労働」を上げました。

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2人から質問がありました。1つは「トラック運送の労働者の長時間労働の背景には賃金の歩合制など低賃金構造があるのでは?」2つ目は「法律はつくられても守られない状況に対して効果的と思われる対策は?」3つ目は「財政措置として需要なポイントは?」ですが、森岡氏は「トラック労働者の長時間労働はタコメーターなどで隠せなくなっている。それが労災で認められる背景にある」「監督官を増やすと同時に、交通事故対策のように、こまめな取り組みを具体化することだ。財政的には家族の会、シンポ、研究などの支援が考えられる」と答えました。

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落語のお話は、ネタ晴らしになりますので紹介しませんが、過労死を落語のネタにする笑工房の福車さんは過労死の実態をよく調べられており、感心しながらもつい笑いを誘うお話に、いつもと違うシンポジウムとなり、深刻な実態が中心となる過労死シンポに企画の工夫が感じられました。

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