岡山県労働組合会議

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3.16戦後70年シリーズ「ナチス・ドイツと日本」学習会

とき:2015年3月16日(火)18時30分∼

ところ:勤労者福祉センター4階会議室

県学習協の戦後70年シリーズ連続学習・第1回「ナチス・ドイツと日本」が開かれ10人が参加しました。県労会議の後援で講師は県学習協の長久啓太さんです。第2次世界大戦終結から70年が経過しました。日本の戦争について学ぶ機会は多いのですが、ナチス・ドイツに学ぶ機会は少ない。ナチスとイタリア、日本は1940年に「3国軍事同盟」を結びます。ナチスの台頭はなぜ起きたのか?ファシズムの狂気、ホロコーストは今?など、アウシュビッツを訪問したご本人の体験を踏まえてお話を聞きました。

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最初はそのアウシュビッツ(ポーランド)の訪問から。話にはよく聞きますが、観光客は年々増えているそうで、現在は年間に160万人が訪れるそうです。ここでナチスはヨーロッパ全土から130万人を収容して110万人を殺戮しました。ユダヤ人だけではありません。ポーランド人政治犯、ソ連軍捕虜、ロマ民族などです。ここでユダヤ人はヨーロッパ全土830万人の内、600万人が殺害されたとされています。こうした人類最大の負の遺産「絶滅収容所」跡(現在は国立博物館)は、何故生まれたのか?安倍政権の暴走、戦争へと駆り立てる狂気の時代を絶対に阻止するためにも学ぶことは大切な闘いです。

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さて、ナチスはどうやって独裁政権を築いたのでしょうか?ドイツは第1次世界大戦に敗れました。政治体制は帝政から共和制(ワイマール体制)に替わり、社会民主党を中心とした連立政権が誕生しました。当時、敗戦国としてドイツが締結したベルサイユ条約は、ドイツの軍備縮小、保有する植民地の放棄、多額の賠償金を課しました。その為にドイツは経済危機に陥り600万人を超える失業者で溢れ、インフレもあって国民は経済的困窮に苦しんでいました。政治的困難は共和制への失望と閉塞感を国民に広げました。ナチス党は1919年に結成されましたが、ヒトラーは国民の閉そく感を救いあげるようにして、諸悪の根源はベルサイユ体制と共和制、そしてマルクス主義者にあるとしてそこに攻撃を集中しました。ここは、NHKが2005年に作成したDVD「映像の世紀、ヒトラーの野望」を観賞しながら学習しました。当時のNHKはさすがにいい作品をつくっています。ヒトラーは一度、ミュンヘンで武装蜂起を起こして失敗、逮捕、投獄されます。その投獄中に口述筆記されたのが「わが闘争」であり、その後のナチスの方針となったものです。彼は議会で多数派を獲得し、権力を一手に集中すると、警察権力を使って共和制秩序を破壊、専制独裁政権へと突き進みます。こうして1933年2月1日、国会の解散と同時に激烈な選挙戦が展開されます。いまでは普通ですが当時は珍しいラジオや飛行機を使った遊説、奇抜なポスター、旗など国民の目を引く選挙戦の中で「国会議事堂放火事件」が起きます。2月28日、ヒトラーは国会放火が共産党の武装蜂起だったとして、ワイマール憲法の基本的人権を一挙に無効にして、警察に弾圧権を与え、短期間に共産党幹部4000人をはじめ、社会民主党とその支持者を逮捕。共産党への恐怖を駆り立てる大々的なキャンペーンを展開しました。こうして、ヒトラーは共産党の議席をはく奪。憲法の制約も解除する「全県委任法」の採決を強行。ナチス党以外のすべての諸政党を解体して、1933年7月14日にはナチス党以外の政党を一切認めない「新党設立禁止法」を公布して、一党制の国家をつくりあげました。わずか6カ月で独裁国家体制をつくり上げたのです。

学んだことをすべて書いていると紙面が足りません、その後の戦争とナチス崩壊までは皆さんの良く知られているところです。ソ連との不可侵条約によってポーランドはナチスの侵攻を許し、わずか1カ月で敗戦国となりました。1939年10月のことですからその後5年に分かってアウシュビッツで殺戮が繰り返されたのです。麻生副総理が「ナチスの手法を見習ってはどうか?」などと不謹慎な発言をしたことは有名ですが、ドイツでこんなことを言えば議員辞職では収まらないでしょう。メルケル首相が最近来日して、なぜドイツがヒトラーの残虐行為を反省して再生したのかを語っていますが、日本の政府にそれがないことが、安倍政権の暴走を許す結果になっていることは間違いのないことです。

ナチス・ドイツの歴史を学び、同じことを繰り返さないために、今を生きる私たちが声を上げ続けなければいけません。マルティン・ニーメラー牧師の「彼らが最初、共産主義者を攻撃したとき」から始まる詩は有名ですが、彼は「無関心」こそ、悲劇を生んだ最大の理由だと言っています。知っていることと実践することは別でしょうか?10人の学習会が投げかけたテーマは、戦後70年を生きる私たちの生き方を問いかけているようでした。

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