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2.14、朝日訴訟の会の総会

と き:2015年2月14日(土)13時30分~16時

ところ:おっかやま西川原プラザ2階ホール

2月14日、朝日訴訟の会の総会が開かれ、新井章弁護士が「朝日訴訟関連資料を発見して」と題して講演を行いました。総会には84名が参加しました。新井先生は50年前に朝日訴訟を闘った弁護士さんで自宅に保管されていた資料を整理して、新鮮な感覚で当時の裁判を振り返ったと話し始めました。新井さんは、「弁護士は生涯で100件以上の裁判を経験するが、その記録が膨大で振り返ることはないだろう。自宅に束ねておいた資料の中に30冊くらいの裁判記録が残っていた。それをひも解いてみると涙が出てきた。1957年に提訴して10年を要した朝日訴訟だが、裁判でどういう主張をして、その判決文がどうであったのかが詳しく書かれていた。まさしく捨てる神あれば拾う神だ」と当時を懐かしく振り返りました。

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岩間会長があいさつ

新井さんは、裁判を振り返ると2つの特徴がわかるとして、1点目は、当時は手書きだったにも関わらず、患者同盟から療養生活についてもの実態報告が65点も寄せられている。控訴審では90点にもなったが、当時の仲間はこぞって、「このままではやせ細って死ぬ」と窮状を訴えている。今の社会は安倍政権の右翼反動政治が国会を牛耳っているが、当時は社会党政権で憲法を生かそうと熱気あふれる時代が背景にあった。不易と流行と言う言葉があるが、時代は変わっても、変わらないものがある。それは支える会の人たちであり、1審で負けても最高裁では勝ちたいという思いだ。1審から3審まで横並びに比べてみると地裁判決が一番素晴らしい。高裁は「歴史に残る判決を書く」としながら比べものにならないほど後退した。最高裁はどちらにも軍配を上げず、中間的なものになった。3つの判決には個性と人間性が現れていた。

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新井章弁護士

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2点目は、病院給食によって届けられる食事ではその時の病状によって十分な食事ができず、捕食が必要になる。その費用は月400円になる。当時月600円の保護費を最低でも1000円にしてほしい、という患者の願い、すなわち生きていくための最低限度の生活費用をどう考えるのかで判決は全然違っていた。高裁は、「医療扶助には給食費も含まれている。食費が足りないのは生活の仕方に問題がある。2重の保護決定はできない」というものだった。一方、地裁は人間味のある判決で「給食の改善が建前だが、給食をどんなに改善しても長期患者の療養には病状の変化があり、どうしても捕食が必要になる」とその費用を認めている。それは人間性に根ざした直接の需要費として考えねばならなかったとしている点だ。建前論で押し切った高裁判決は地裁判決に及ばない。人間性を引き出す裁判官を出さないと裁判には勝てないということがわかる。これが2つ目の特徴として重要であり、戦後の日本人として、どれだけの生活費があれば生活できるのか?人間に値する生活が営まれているのかが問われる裁判では、人間に寄り添った哲学が求められるとしました。

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総会の討論では、東京から毎回参加している朝日健二さんが「東京では2千人もの精神障害者を病院から、障害者を施設から追い出す条例が出されている。まさに60年前に結核患者が病院から追い出された朝日訴訟の再来だ」と緊迫した情勢を紹介しました。

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朝日健二さん

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井上英夫先生

金沢大学名誉教授の井上英夫先生は「日本の社会が大きな転換点に立っている。生活保護を受けている人が2万円もの老齢加算を削られ生存権裁判を闘っているが、朝日訴訟を超えなければならない。国民の意識は高まっている。全国に組織をつくってほしい」と訴えました。

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