岡山県労働組合会議

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11.24岡山労働学校第7講義

と き:2011年11月24日(木)18:30~

ところ:岡山市勤労者福祉センター

概 要:

 

 「ジェンダー」をテーマとした第82期岡山労働学校もいよいよ大詰めに差しかかってきました。第7講義では「女性史を学ぶPartⅡ」として岡山大学大学院客員研究員の沢山美果子さんを講師に招きました。

 沢山美果子さんは冒頭で自身の故郷福島が3.11東日本大震災以降「フクシマ」になったと話し、「私の息子は昨年福島の書店に転勤したばかり。職場に対して避難勧告を出してくださいと頼んだが、本が売れたためにお店を閉店することはできないと避難勧告がでませんでした。私の息子は仕事を辞めて、京都に転職し家族全員で暮らしています」と話しました。

沢山美果子さんは過去と現代の対話を通して未来を考えることが重要だという考えから、大学でのジェンダー講義の経験を振り返りました。「私が大学で講義をしていて男子学生に多いのが『所詮男と女は身体的に違いがあるのだから、色々な場面で違いがあって当然だ』という意見です。このような意見は工学部の学生に多くありました」と話し、「所詮」で終わってしまうとそこから次への進歩がなくなってしまうとしました。時代と学びと社会が男性たちの考えを変えることについて、ある学生のレポートの紹介がありました。「男性は男性社会の中で女性を差別し、女性は女性社会の中で男性を差別している」という内容のもので、「ある男子学生は幼稚園で働きたかったのですが、男性であるということから保育園への就職を拒まれていました。やっとのことで保育園に就職して男性であるということで0歳児を担当させてもらえないという差別がありました」という事例を話し、あたりまえのように抱いている「私は女」「私は男」という意識の問い直しが大切だと示しました。

続いて、沢山美果子さんは江戸時代の「生むこと・育てること」をジェンダーの視点から見て、現代に生きる中で問いをもつことを話しました。「江戸時代の津山を調べると出産にかかわる資料が多数見つかりました。そこから、男性が出産に関わっていたことが浮き彫りになりました」と話し、「江戸時代の産むことと産まないことの背景には『家』の存続と農業労働が多きく影響していました」と家の存続のため、産まれてきた赤ちゃんをその場で殺してしまうこともあったことを示しました。また、農繁期の出産を避けるため、1月~3月の農閑期の出産が多いことも示しました。

ジェンダーの視点で歴史をみることについて、「性別を人間社会の生み出した可変的な制度であり言説の装置の1つとしてみれば、男女間のより柔軟なパートナーシップのあり方を模索でき、自分のとらわれに気付くことができます」と締めくくりました。

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